こんなにあるの?生成AIとそれ以外のAIの種類を解説
AI(人工知能)は、単に便利なテクノロジーという枠を超えて、ビジネスの競争優位を築くための強力な武器となっています。
しかし、その多様性ゆえに「自社にどんなAI技術を導入すべきか?」と悩む場面も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、いくつかの切り口でAIを分類し、AIの種類や活用事例を1つずつ紹介します。これからのビジネスを考える人にとって、次の一手を打つために必要なヒントをお届けします。
用途別で見るAIの種類
AIにはさまざまな用途があり、分野ごとに異なる種類が使われています。ここでは、認識、予測、会話、実行という4つの用途に分類してその特徴や活用例を解説します。
認識系AI
認識系AIは、画像や動画を人間の感覚に似た方法でデータを認識し、特定のパターンやルールに基づいて分類することができる技術です。特定のパターンやルールに従って情報を整理することができます。
認識系AIの代表的な利用例として、顔認証システムが挙げられます。スマートフォンのロック解除や、セキュリティドアでの本人確認に広く使用されており、利便性と安全性の向上に寄与しています。
また、医療分野では、AIが医療画像を解析し、がんなどの疾患を早期に発見するために用いられています。これにより、医療現場での診断精度が向上し、患者への迅速な治療が可能になります。
予測系AI
予測系AIは、データからパターンや相関関係を見つけ出し、未来の出来事やトレンドを予測する技術です。これにより、企業や組織はリスクの低減やビジネスチャンスの最大化を図ることができます。
たとえば金融業界では、予測系AIが株価や為替レートの予測に利用されています。過去の取引データや経済指標を基に、将来の価格変動を予測することで、投資戦略の立案に役立てられています。
また、小売業界では、消費者の購買データを解析して、需要予測を行い、在庫管理やマーケティング戦略の最適化に貢献しています。
さらに、気象予測の分野でも、予測系AIが重要な役割を果たしており、自然災害のリスクを低減するための対策が講じられています。
会話系AI
会話系AIは、自然言語処理技術を用いて、人間と自然な形でコミュニケーションを行うことができる技術です。顧客サービスや日常生活での便利なツールとしての利用が増えています。
最も代表的な会話系AIは、ChatGPTでしょう。ChatGPTはクリエイティブ分野やデスクワークの分野で急速に普及しており、記事作成やビジネス課題の解決、プレゼンテーション資料の補助といった目的などに活用されています。
また、企業のカスタマーサポートでは、AIチャットボットが顧客からの問い合わせに対応しています。これにより、24時間対応が可能になり、顧客満足度の向上や対応コストの削減が実現しています。
さらに、音声アシスタントは、家庭内でのタスク管理や情報検索を支援し、ユーザーの日常生活をサポートしています。Amazon AlexaやGoogleアシスタントがその例です。
実行系AI
実行系AIは、データを基に特定のタスクを自動で実行し、システム全体を制御する技術です。生産工程の自動化や、ロボティクスの分野で多く利用されています。
実行系AIは、自動運転車の制御システムとして使用され、道路状況をリアルタイムで解析しながら、安全に車を運転することが可能です。また、工場の生産ラインでは、ロボットが製品の組み立てや検品を行い、人間の作業を代替しています。
生成AIの種類
ここからは、現在あらゆるビジネスに変革を迫っている生成AIに絞って見ていきましょう。生成AIと一口に言っても、機能や用途によってさまざまなタイプがあります。
以下に、主要な生成AIの種類とその特徴を詳しく紹介します。
テキスト生成AI
テキスト生成型は、自然言語で書かれたプロンプト(指示文)に応じて文章を生成するAIです。
代表的なテキスト生成AIツールには、ChatGPTやGoogle Gemini、Claudeなどがあります。
これらを使うことで、ビジネスの課題解決や、各種文章作成、さらにはプログラミングコードまで、幅広い用途に応じたテキストを作成することが可能です。
現代のデスクワーカーにとって、テキスト生成AIは頼れるアドバイザーであると同時に、従順なアシスタントです。
文章作成の効率化や新しいアイデアの発見に役立っている一方、使い慣れて特性を把握しないと、求めているテキストが生成されず、結局は人間が手作業で書いた方が早かった、ということも起こりがちなのが現状です。
生成AI検索
生成AI検索は、これまでのGoogle検索のような検索エンジンに生成AIを組み合わせることで、ユーザーの検索意図を深く理解した回答を生成するツールです。
従来の検索エンジンは、ざっくりいうと、ユーザーがキーワードを1つかいくつか入力すると、それについて詳しく書かれたWebページを表示するものです。
一方、生成AI検索は、ユーザーは、キーワードではなく、知りたいことを人間に質問するようにして使います。
テキスト生成AIも使い方は同じですが、すでに学習した知識の中でしか答えません。生成AI検索は、その場で検索して答えてくれるため、常に最新の回答が得られます。
これにより、ユーザーは複数のWebページを漁って情報を見つける手間を省き、必要な情報を迅速に得ることが可能となります。
代表的な生成AI検索は、PerprexityやGensparkなどがあります。ChatGPTにも2024年11月から「ChatGPT Search」という生成AI検索の機能が実装されました。
テキスト生成AIだけでなく生成AI検索の性能が上がり、従来型の検索エンジンより便利になってしまうと、長年検索エンジンの覇権を握ってきたGoogleにとっては、ユーザーのGoogle検索離れを引き起こす死活問題です。
そこで、Googleは「AIによる概要(AI Overview)」を検索結果の上部に表示する生成AI検索機能を発表。日本向けには2024年8月から提供を開始しました。
画像生成AI
画像生成型はテキストや他の画像を入力として、新しい画像を生成するAIです。
Stable DiffusionやMidjourney、Adobe Fireflyなどがよく知られた画像生成AIツールです。また、ChatGPT内ではDALL-Eという画像生成AIが組み込まれており、商用利用も可能となっています。
また、ゼロから画像を生成するのではなく、画像編集の分野でも画像生成AIはすでに実用化され、実用レベルに洗練されています。
たとえば、AdobeのLightroomやPhotoshopには、生成AIを使って不要部分を消して背景だけ
Web制作やSNS投稿で、素材として手元にある写真に不要なものが映っているとき、
この技術はデザイン業界をはじめとするクリエイティブ分野で特に注目されており、プロフェッショナルから個人ユーザーまで幅広く利用されています。
動画生成AI
動画生成型はテキストや画像から新しい動画を作成する技術です。Runway Gen-2などのツールがあり、短尺の動画を簡単に生成することができます。現時点では短い動画が主流ですが、今後はより長尺の動画生成も期待されており、映像制作の効率化や表現の多様化が進むと見られています。
音声生成AI
音声生成型は音声データやテキストを基に新しい音声を生成するAIです。MicrosoftのVALL-Eなどがこの分野で注目を集めています。特定の声質を学習させることで、その声を使ったナレーションを作成することができ、自然な音声によるコンテンツ作成やアクセシビリティの向上に大きく貢献しています。
コード生成型
コード生成型はプログラミングコードを自動的に生成するAIです。GitHub Copilotなどが代表例で、ユーザーが指定した要件に基づいてコードを作成することができます。この技術は開発者の作業効率を大幅に向上させ、プログラミングの学習や実務でのコード作成を強力に支援します。
現在から未来のAIの種類
2024年現在の生成AIは、実用化されているAIの中ではまさに最先端と呼べるものです。しかし、近い未来には、今の生成AIよりもさらにすごいAIが誕生すると言われていることをご存知でしょうか。
今、そして未来のAIをその能力で分類すると、3つに分けられます。以下に、主なAIの種類とその特徴をまとめます。
特化型人工知能(ANI)
特化型人工知能(ANI; Artificial Narrow Intelligence)とは、特定のタスクや領域に特化したAIです。生成AIもANIの一種です。
ChatGPTを始めとする生成AIの登場は世界中に衝撃を与えましたが、生成AIを始めとするANIは「弱いAI」とされています。
例えば、チャットボットや音声認識システムや画像認識技術、自動運転車など、さまざまなシーンや目的で高い能力を発揮しますが、それでも人間のような汎用的な知能は持っていません。
汎用人工知能(AGI)
汎用人工知能(AGI; Artificial General Intelligence)とは、人間と同等の認知能力を持ち、さまざまなタスクをこなす能力を持つAIです。
2024年現在の生成AIも、さまざまな用途に使われていますが、それでもできないことや苦手なことは多いのが現状です。一方、AGIは「強いAI」とも呼ばれ、自ら学習して自己改善を繰り返すのが特徴です。
AIGは、2024年時点では実現されていません。AI関連企業の予想によると、早ければ2026~2027年にAGIが登場するとされています。
人工超知能(ASI)
人工超知能(AIS; Artificial Superintelligence)は、あらゆる分野で人間の知能を超える能力を持つAIを意味します。AGIが人間を超えたとき、ASIが実現したと言えます。
2024年の時点ではASIはまだ実用化には至っていません。概念として議論されている段階です。
たとえば、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、2024年10月に開催された法人向けイベントで「「人間の知能を1万倍超えたレベルのAI、超知性(ASI)が10年以内に実現する」と述べています。
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以上、AIの種類について見てきました。ビジネスリーダーは、自社に合ったAIを取り入れ、これからの価値創造を行う必要があります。
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