社会を停滞させる倫理や良識に未来を奪われていないか
需要不足、人手不足、実質賃金低下…。現代社会は停滞感に包まれています。この課題の裏には、倫理や良識に価値を置く私たちの性質が大きく関わっているかもしれません。
この記事では、停滞を打破し、私たちが希望のある今を生きるための新たな視点を探ります。
現代社会が停滞していることを示すエビデンス
現代社会の停滞は、経済成長の鈍化、技術革新の減少、生産性の低迷という形で現れています。具体的なデータや現象は次の通りです。
経済成長の停滞
日本経済は1990年代以降、長期的な停滞を続けています。バブル崩壊後、日本の実質GDP成長率は年平均1%未満で推移し、経済全体が低迷しています。内閣府のデータによれば、この停滞は少子高齢化とともに、国内消費の減少や賃金の伸び悩みが主因とされています。長期間にわたる経済の停滞は、個人の購買力を低下させ、社会全体に活力が欠ける状況を生み出しています。
技術革新の減少
かつてのような大きな技術革新が見られないことも、現代社会の停滞を示しています。1950〜70年代には、テレビ、家電、コンピュータといった革新が次々に登場し、社会に劇的な変化をもたらしました。しかし、近年ではインターネットやスマートフォンの登場以降、それに匹敵する新技術はなかなか普及していません。例えば、人工知能(AI)やブロックチェーン技術は一部で注目されているものの、社会全体へのインパクトは限定的です。この停滞は、技術が生み出す新しい価値が経済成長に反映されにくくなっている現実を示しています。
生産性の低迷
労働生産性の低迷も、社会全体の停滞感を強くしています。OECDのデータによれば、日本の1時間あたりの労働生産性は主要先進国中で最下位レベルです。この背景には、長時間労働の習慣があり、効率的な働き方が実現されていないことが挙げられます。労働力の効率的な活用が進まないことで、経済の成長が抑制され、生産性の低迷が続いています。
なぜ社会が停滞しているのか
社会の停滞にはいくつかの要因が関わっています。ここでは主な3つの要因について説明します。
少子高齢化による若者のマイノリティー化
少子高齢化は、日本社会に深刻な影響を及ぼしています。総務省のデータによると、日本では65歳以上の高齢者が全人口の30%を占めており、若者の数は急速に減少しています。これにより、社会の革新を担うべき若者がマイノリティー化し、年長者が主導する社会では変化を起こす力が弱まっています。若者が少ないことで、新しい発想やリスクを取る挑戦が抑制され、社会全体が現状維持に傾きやすくなるのです。
インターネットが作った超監視社会と超自粛社会
インターネットやSNSの普及により、個人の発言や行動が常に監視されている「超監視社会」が形成されています。この環境では、個人が自由な意見を表明することがリスクとなり、社会的批判や炎上を恐れて発言を控える傾向が強まります。コロナ禍が収束になっても、私たちは相変わらず超自粛社会で生きています。
かつては、インターネットは身も蓋もない本音を言える場所として機能していましたが、現在のインターネットは、企業から個人までが政治的正しさや良識を競い合う賞レースのように見えるときがあります。その様子は、治安がよくて安心して利用できる一方で、市民が言論統制を内部化し、そうではない人を火あぶりにかけるようなディストピアでもあります。
結果として、多くの人が無難な選択をしがちになり、新しい挑戦や革新を避ける風潮が広がっているのです。これが、社会全体の停滞感をさらに強める要因となっています。
新しいもの≒危険なものという図式
新しい技術やビジネスが登場するたびに、そのリスクが厳しく問われ、しばしば批判の的となることがあります。たとえば、自動運転技術や遺伝子編集技術などは、その可能性が注目される一方で、倫理的な問題が大きく議論され、導入が遅れています。
実際、歴史を見れば、新しいものが社会を危険をもたらした例はいくつもあります。化学工業という新しい産業が公害となり健康被害を生み出しましたし、サリドマイドという薬は胎児に深刻な障害を引き起こしました。
しかし、かつては携帯電話は子供を非行に走らせるものとして危険視されていましたし、自動車は、発明当初こそスピードや事故の危険性が強調されましたが、現代では(事故の危険は無くなっていないのに)移動の主流となっています。
新しいものに対する慎重すぎる姿勢が社会に蔓延すると、革新や変革のペースが遅くなり、結果として停滞感が広がります。
停滞する社会で生き抜くためのヒント
現代社会の停滞を乗り越え、生き抜くためには、どうすればよいのでしょうか。具体的なヒントを紹介します。
強者は別に倫理的でも良識的でもないことを知る
社会的強者は、必ずしも倫理や良識に従っているわけではなく、時に利己主義的な性向を持っています。
たとえば、Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグは、プライバシー問題や競争法違反で何度も批判を受けていますが、世界最大級のSNSを生み出した名声は揺るいでおらず、巨万の富を持つ強者です。Facebookのそもそもの始まりが、女子学生の写真を並べて魅力度を評価するという、男子学生の悪ノリのようなサービスでしたが(いや、だからこそなのかもしれませんが)、日本ではFacebookを愛用する経営者が数多くいます。
また、野口英世はアメリカの研究所時代に孤児や入院患者に梅毒の人体実験を行ったとスキャンダルになりました。
軍医だった森鴎外も、当時すでに脚気という病気の対策には麦飯がよいと言われていたにも関わらず、白米を兵士たちに食べさせ続け、日露戦争で2万人以上を脚気で死亡させました。
倫理的で良識的である強者が大多数の中で、ごく稀にそうではない強者もいるというだけの話なのでしょうか。それとも、成功や地位に執着し、倫理や良識を二の次にするからこそ、実際に成功したり地位を保てたりするのでしょうか。
権力の維持や拡大のためには道徳に反することもいとわない思考を、マキャベリは肯定しました。
ニーチェは、倫理や良識を弱者道徳だと切り捨て、権力への意志こそ価値があると説きました。
少なくとも、倫理や良識といったものは、絶対に侵してはならない人類の普遍的価値ではないのです。
たとえ履き違えているといわれても自由から逃避しない
エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』では、個人が自由を恐れ、権威に従属することで自己を守ろうとする心理を指摘しています。
この現象は日本社会でも顕著で、特に年長者や目上の者に無批判に従う文化が根強く残っています。例えば、職場で新しい提案をする若手が、「経験不足」として意見を無視されることが多く、これが自由な発想を抑え込んでいるのです。
しかし、自由を履き違えることを恐れて放棄することの方がはるかに危険です。自由な発言や行動を選ぶことは批判を招く可能性がありますが、自由を放棄すると、個人の成長や社会の革新が阻まれ、停滞が深まります。
マハトマ・ガンジーは、イギリスからのインド独立運動を指導しました。当時、西洋の価値観ではイギリスは文明国とされ、発展の遅れていたインドを支配することはそうおかしなことではありませんでした。しかし、それでもガンジーは自由独立を望み、非暴力という手段でこれを実現させました。
このように、自由を追求することが停滞を打破する鍵となるのです。
嫌われる勇気を持つ
成功するためには、他者から嫌われることを恐れない勇気が必要です。
ベストセラーとなった書籍「嫌われる勇気」は、まさに、そのことが書かれています。この書籍では、アドラー心理学に基づき、他人の期待に応えることなく自分の信念に基づいて行動することの大切さが強調されています。
特に「課題の分離」という概念は、自分と他人の課題を明確に分けることで、他人の評価や期待に縛られずに自分の道を進むことを可能にします。
また、過去のトラウマに囚われず、自分自身の選択と行動が未来を形作ると説いています。
これらにより、自分自身の価値観や目標に集中でき、社会全体が停滞している中でも前進することができるわけです。
多くの人が前進するようになれば、社会全体も前進し始めます。そこには、格差が拡大する余地はないですし、豊かになる機会を誰一人として放棄する必要はないのです。
まとめ:豊かになる勇気
現代社会の停滞は、経済成長の低迷、技術革新の遅れ、生産性の低下に明確に現れています。その背景には、少子高齢化や過剰な倫理観、そしてインターネットを介した監視社会が存在します。
しかし、こうした停滞に甘んじる必要はありません。強者は、しばしば倫理や良識に縛られず、利己的にふるまって豊かさを享受してきましたし、社会にも豊かさを生み出してきました。
私たちも豊かになるためには、倫理や良識に盲従するのではなく、まずは自らのエゴを満たす勇気と、次いで他人のエゴを認める努力をすることが重要ではないでしょうか。
倫理や良識と適度な距離を保ち、豊かになる勇気を持つことが、社会の停滞を打破し、私たちが希望のある今を生きることにつながるでしょう。
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